一三の愛し方

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  翌朝、一三と五郎は、ほとんど口をきかないでいた。    (一三のやつ…頑固なんだな)     五郎は、はぁと、ため息をつき本屋の店主が来るのを外で待った。     そして予定の時刻になり、店主がやってきた。   「こんにちは!五郎さん、一三さんは?」   「中にいるよ。ほとんど口をきかないんだ」   「わかりました。一三さん!こんにちは」     店主の声を聞き、一三は驚いて飛び出してきた。   「あれ!?どうして、ここに?」   「こちらの方面に用がありまして。用は済んだので、一三さんのお顔が見たくて参りました」   「そうなんだ。あっ、どうぞ中へ」   「お邪魔します」     五郎が、外からそっと見守る中、店主は部屋に入っていく。  
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