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「…五郎?あの…」
夕方、一三が恥ずかしそうに声をかける。
「どうした?一三」
平静を装い、一三に近づく五郎。
「あの…五郎、ごめん… 僕、五郎に…ひどい事を言っちゃった」
「一三…」
五郎は、一三をギュッと抱きしめた。
「ご、五郎…」
「いいんだ、一三。それ以上、何も言わなくていいから」
「で、でも…五郎に、身体目的だ!なんて言っちゃって…
今日、本屋のお兄さんと、話をしていたら、言われたんだ。好きを表す物は、人によって違うんだって。だから…」
一三は、そこまで言うと、泣き始めた。
それは、五郎への謝罪の気持ちだけでなく、いろんな思いが頭の中によぎったから。
五郎は、一三が泣き止むまで、ずっと抱きしめていた。
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