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その翌日、一三は、珍しく一人で町に出かけた。
あの本屋に行くためだ。
信じてもらえるかは、わからなかったが、とりあえず向かった。
「こんにちは」
「いらっしゃいませ。…ん?」
店主は、不思議そうな顔をした。
が、しかし、すぐに驚くべき言葉をかけた。
「あっ、一三さんですね?」
「えっ!!?」
一三は、信じられなかった。なぜ若くなった自分だとわかるのか…
「ちょうど、他にお客さんもいないので…少しお話しましょう」
奥の部屋に通され、イスに腰かけると、店主が口を開く。
「あの実、見つかったんですね?」
「え、ええ…」
あれ?前は、ただの噂だと思うなんて言っていたのに…
まるで、本当にあると、わかっていたみたいな口ぶりだ。
すると店主は、ある物を一三に見せる。
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