それなりのこと 1

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「ああ、サッカー部のマネージャーの立宮尚子。 陽平と同じクラス」 「ああ……」 思い出して納得、という顔をした楠原。 人見知りな性格だからか、ちらっと立宮を上目遣いで見てペコリと軽く頭を下げた。 「途中で一緒になったの?」 陽平に聞く。 「ああ。 お前らがここ通るまでつきあってもらってた。 公園で」 「缶ジュース1本じゃ安いけどね」 「仕方ねえだろ、所持金200円なんだから」 陽平と立宮が言い合いをする。 楠原はなんだか居心地悪そう。 「これ?彼女」 立宮がまじまじと楠原を見る。 「“これ”って言うな、立宮」 すかさず言い返す。 「ふーん。 こういうのが趣味だったんだ」
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