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楠原は少し緊張したように手を差し出し、立宮と握手した。
「果歩ちゃん、その無口、わざと?
それとも人見知り?」
「えっ」
笑って言う立宮。
驚いた顔の後、次第に赤くなる楠原。
「あのさ、立宮。
楠原はお前みたいにズカズカ相手に踏み込むようなタイプじゃないの。
他人が全て自分と思考言動が同じだと思うなよ」
「違うわよ、可愛いからいじめてるの」
「……」
俺の言葉にすかさず返す立宮。
楠原は面白いほど機敏に立宮を見た。
楠原にとってここまではっきり言う女は珍しいらしく、未知との遭遇みたいに固まっている。
まあ、立宮の言うことも少し……、いや、かなり理解できるけれど。
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