00

2/4
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ
夏の暑さが過ぎ去り、秋を感じさせる気候。家の中からでも日が短くなっているのが分かる。外はすでに暗闇に包まれようとしていた。それと同時に身の周りの物すべてが静まり返り、暗闇と同化していく。 ガタン、ガタン、と静寂を打ち消す様に外から工事の音が聞こえて来る。少年、桜木秋人はすでにその音に慣れてしまったため、気にも留めない。ただ、今日受けた模試の悲惨さに頭を悩ませながら解答と照らし合わせていた。 「あれー、またここ同じミスしてるよー。前にあれだけやったのになー。」 桜木秋人は、ごく普通の高校二年生。学校での成績は中ぐらい、見た目中ぐらい、運動神経も中ぐらい。これといった特徴がないのが特徴と言えるだろう。強いて上げるとすれば、英語が地を這うが如しといった所か。 秋人の高校は男子校で部活は結構盛んな方だ。運動部も文化部もそれぞれがなかなか良い成績を残している。秋人自身もテニス部に所属していて運動神経のわりにはうまい方だった。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!