結末

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結末

呆然と立ち尽くした私。 並木道から聞こえる蝉の声が余計に暑さを感じさせる。 その路上で私は震えていた。 恐怖とか喜びとかそんなものはなかった。 むせ返るような熱気に包まれ、汗を流しながらただ震えていた。 これは夢なのだろうか? 俯きたかったのだけど、赤が見えて怖くなったので並木を眺めていた。 息が上がっている、呼吸を落ち着けようと深呼吸をしていたら涙が出てきた。 辺りが段々と騒がしくなってきた。 蝉の声が一段と大きく聞こえる。 しばらくすると陽炎まどろむ地平線の向こうからサイレンの音が聞こえ始めた。 おわり
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