―――第1章・出会い―――

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「綺麗だろ!さっき見付けたんだ。運良く鍵開いててさ」 彼は視線を空に仰いだまま あたしに語り続ける。 「俺、高校入ってこういうの欲しかったンだよな!」 「…?」 「入学式なンてよ!どーせ校長の話聞いて、クラス行って友達作って帰るだけじゃん?!」 確かに…… 中学の時もそうだった。 と納得してしまう自分がいた。 「それだったら、ココでサボって、さっきアイツ居なかったけど…みたいな登場した方が違うっていうかさぁ!」 彼の表情は物凄く愉快で あたしも思わず、含み笑いしてしまった。 「…?俺、何か変な事言ったかよ?」 少々頬を膨らませて こちらをみている。 透き通ったキレイな瞳。 短い黒髪が風で靡いていて 彼より低い位置に居るあたしからすると 同じ高さに居ても思うのに 更に身長が高く感じられる。 「なーんにも!」 彼を見ていたら、何故か新鮮な気持ちになった。 「変なの!…でも、1つ予想外の事があったンだ」 「…予想外?」 彼の話し方に あたしも吸い込まれて つい聞き入ってしまっていた―――。
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