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「華霖ー!」
「なに?朝から煩いよ、クル…」
皆さん、こんにちは。
…嫌、私にとってはおはようだけど。
「あーそぼっ!どっか行こ~!」
「…どーせ嫌だって言っても聞かないんでしょ?」
「うん!」
私を朝から大きな声で起こしたのは、小学生からの友達、松川胡桃(まつかわくるみ)
胡桃だから私は昔から“クル”と呼んでいる。
「早く、早くっ!華霖遅いーっ!」
あぁ、五月蝿い…。
つーか…
「クルが邪魔で、起きれない。てか重いよ、クル。」
ホントに。
私の上に乗ってるの、この子。
嫌、可愛いよ?可愛いんだけどね?
重いんだよ、ホントに。
女の子にこんなこと言うのも失礼なんだけどね…私、背も小さいから…。
「……えへへ~♪
ごめんねぇ、華霖。」
そうクルは言うと、私の上から少し名残惜しそうに降りた。
私はクルが降りてから、服を着替え、財布と携帯だけを鞄に入れて、素早く出掛ける準備をした。
「そんなに急がなくていいよ~?」
「はぁ…。急げって言ったり急がなくて良いって言ったり…。」
「ぁあ~!じゃあ急いでー!」
私が少し溜め息混じりにクルを睨んで見るとクルは目をウルウルさせて脅えてるウサギ見たいな顔になった。
「クル…」
「は、はい…」
「あんた…
やっぱ可愛いね!」
私がクルを呼ぶとクルは今にも泣きそうな顔をしたが、私が“可愛い”と言うと意味解んないと言う顔をした。
「…え?華霖怒ったんじゃ…?」
「なんで怒るのよ?」
「…怒ってない、の?」
「だから、怒ってないって。」
私の言葉を聞くとクルは「なんだぁ」と言って、安心したかの様に私に抱き着いてきた。
「クル、なにやってんの」
「え?華霖に抱き着いてるよ~?」
クルは当たり前でしょ?と言いたげな顔をして言った。
てかなにが『抱き着いてるよ』だ。
その意味が私には解らないから聞いたのに…。
ま、いっか。
「それより、ほらっ!早く、出掛けるんでしょ!?」
「あ、うんっ!今日はねぇ…雑貨屋さんに行きたいんだっ!」
私がそう言うとそうだった!と思い出したように言った。
「雑貨屋さん?」
「うんっ!ストラップとか欲しいんだよねぇ♪」
「そっか。…じゃ、早く離れて…?」
私はまだクルに抱き着かれているから動けないでいた。
いつ離してくれるか待ってたんだけどなぁ……。
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