始まり

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山崎は思わず目を奪われた 木から降りた者は あまりに美しかった―― 見てくれではない いや、容姿も確かに美しいといえばそうかも知れないが どこか哀しげで誰も寄せ付けない その雰囲気が芸術そのもののように美しかった それにどこか山崎の知り合いのあの人に似ていた つり気味の目――― 通った鼻筋――― 線の細い身体――― 余りに似ていた 山崎の上司に、壬生浪士組の副長に .
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