1章『長い長い序章』

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「えぇ。これ以上の暴挙は許さないわ」 「あなた…目を見ればわかるわ。…できるわね」 「あら、なんのことかしら」 「フ…いいわ。かかってらっしゃい」 義弘にバレたら怒られるかな? それでは私、荒神緋香梨。いかせてもらいます― 周りもざわつく死闘を繰り広げること十数分…… 私は……負けてしまった。惜敗…と呼べるくらいには持ち込めたはずだった… 「フ、フハハハハハハハ!いいよ!楽しいよ、こんな楽しいやり合いは久し振りだ。」 よ、余裕そうね… 「こんな強い奴がいるならまだ入学した甲斐があるってもんだね。アンタ名前は?」 ふんだっ! 「人に名前を聞くならまず自分から名乗りなさい!」 これ、結構恥ずかしいわね… 「ハッ言うね!いいよ、あたしは姉川美羅(みーら)。まぁいろんな意味で仲良くな」 な、仲良くって… 「荒神…緋香梨…です。」 「うん、よし。もう君以外殴ったりしない」 なんか拍子抜けしてしまった。どうやらこの子は強い人と闘えるなら他はどうでもいいらしい。
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