1章『長い長い序章』

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………とまではいかなかったが、そこには綺麗に揃えられた遺体があった。 「揃えたのは枯葉ちゃん?」 「うん…これは男の子の彼女の努めだから……」 絶対違う。これは断言してもいい。 「あ…あと、呼び方直していいよ…?」 うっ…きょっ今日は朝から言われなかったからセーフだと思ったのになぁ…… 「あ、うん。また時をみて直すよ。わざわざありがとう。」 そう、時をみて。ね…… 僕は中学3年生の冬までは彼女をあだ名で呼んでいた。 でも高校の入学式というこの日に、下の名前にちゃん付けで呼ぶようにしたのには理由がある。 勘のいい…それに当事者である柳人ならバレてしまうだろうが、そのときはそのときだ。 そうだ、柳人と言えば 「ねぇ柳人。まさか男子全員数分で倒したの?」 「んなわけあるか。それに面白い奴も見つけたしな。」 入学早々にクラスの男子を壊滅させたコイツが『面白い』……? ダメだ、悪い予感しかしない…… 「どんな人たち?」 まぁ当然の疑問だろう。 「あぁ。変態の紳士情報家に、女性恐怖症のイケメンだが?」 濃っ!
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