1章『長い長い序章』

9/66
前へ
/96ページ
次へ
「ねぇ枯葉ちゃん。なんて言ったかわかる?」 「えっと…『consentement』はフランス語で“了解”だったと思うよ。」 冗談で聞いたんだけどな… なんで知ってるんだよ… ってあれ。了解って言った割には別になにもしてこないな。 「なんか盛り上がってるとこ悪いんだけど、先に進めるわね」 あ、先生忘れてた。 その後、他の委員を決めたり明日以降の連絡をして、去って行った。 相変わらずクールだなぁ。 クラスは一応結束してる?し。 大丈夫だと判断したのだろう。 そして―チャイムが鳴った。 女の子の1人が消しゴムを落とした。その刹那。 『Partir!《行け!》』 約20名の男子が柳人めがけて襲い掛かった。 「ちっしつこいな…枯葉!義弘!このまま帰るぞ!」 逃げるなら勝手に逃げて貰いたいが、まぁそのまま帰るのなら付いていくか。 僕はさりげなく落ちてあった消しゴムを拾って渡してあげた。 するとその女の子は顔を赤らめてお礼を言ってきた。 笑顔で返して柳人達に追いつこうと振り返ると、そこには猛獣がいた。
/96ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加