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それから数分たった時に
少女は俺の存在に気がつく
そして必ず笑顔を作るんだ…
悲しみを必死に堪えて
心配させないように
大丈夫だよって笑うんだ…
けど俺はその笑顔を見るのが
いつも辛くて…苦しくて…
だけど俺に分かるのは
その少女が深い悲しみを
背負っていることと
少女の顔に見覚えがないことくらいで…
しばらくすると少女は
俺から視線を外して
その小さな穴から漏れる光に手を伸ばす
その表情はとても険しくて…
少女が光に触れた時
その光は一瞬にして消えてしまう
そして少女はまた悲しそうな顔をする
そんな姿を見てるのも
やっぱり辛くて…
気がついた時には
いつの間にか走り出していて
どうしていいのか分からないんだけど
少女の元に走り寄って
そして抱きしめるんだ…
抱きしめて大丈夫だよって
言おうとするところで
必ず目が覚めるんだ……
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