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岸壁に立つ母
イセは小舟を海に流した。
船が沈まないように ずっと見守っていた。
イセ『信ちゃん…母さん…周りの人がなんと言おうと、信ちゃんが生きてると信じて……信ちゃんが帰ってくるその日まで、いつまでも…いつまでも待っています…
この岸壁で…』
───────────…
母は来ました
今日も来た
この岸壁に今日も来た
届かぬ願いと知りながら…
もしやもしやに聞かされて。
また引き上げ船が帰ってきたに…
今度もあの子は帰らない…
この岸壁で待ってる母の姿が見えないのか…
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