捩じる者

29/37
前へ
/172ページ
次へ
「…何ですかッ…これはッ!?」 オレへの攻撃を中断し、吹き上がる水柱を凝視しながら驚愕する根暗。 そしてその水柱はある程度の高さまで吹き上がると、そこで勢いを失って根暗めがけて降り注いでいく。 「くッ…!一体何が…」 バシャバシャと絶え間なく根暗に降り注ぐ水。 これがアイツらのいう遠距離攻撃とやらなのか… どう見たって攻撃と呼べる程のものでもなく、ただ相手がずぶ濡れになりながら鬱陶しがっているだけ。 ………何がしたいのアイツら? ねぇ、これだけの為にオレは死にかけたの?ねぇ? ふwwwwざwwwけwwwwwんwwwなwwwwwwww おまっ…あれだけオレに命張らせといて…結果が相手への嫌がらせって… オレの命を何だと思ってやがるんですかwwwwwww そう思っていた時期がオレにもありました。 最初に感じた違和感は温度… 完全に日が落ちているとはいえ、今はもう6月。 吐いた息が白くなるなんてあり得ない………まさかコレって………だとしたらヤベェんじゃねぇのか!? 必死に頭を回転させて答えにたどり着いたと同時に、オレの脳裏にある映像が浮かび上がった。 それが視えた瞬間、オレは即座に廃ビルのガラスをぶち破って建物内にダイブ。 上手く着地出来ずに地面を転がり、バラバラと降りかかってくるガラスの破片を両腕でガードする。 「あんにゃろう共め…なんつー無茶しやがるッ…!」 再び体制を立て直し、恐らくオレの予想通りの結果になっているであろう根暗を確認しに割れた窓へと歩みを進めた。 「うわぁ…」 まぁ…予想以上といいますか… ガチガチに凍りついた水柱の中に閉じ込められた根暗の姿が、そこにあったのでございますよ…
/172ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2438人が本棚に入れています
本棚に追加