ロリコン?違う、小さい子が好きなだけだ!

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重すぎる雰囲気にお腹の調子が崩れ始める天パ高校生オタク(17)。童貞。 やべ、ちょっとトイレを借りようかな…なんて思っていた時、オレの脳内にフッと1つの疑問が浮かび上がった。 「…無理やりに能力を開花させた?」 「うん…」 それはつまり… 「人為的に、人の技術で超能力を目覚めさせる事が可能って事ですか!?」 そんなどこぞの学園都市みたいな事が… 「いや、不可能だよ。だからこうして子供達が死んでいる訳だろう?」 不可能…? …じゃあ何の為にそんな事をしてんだ?犯人さんは… 絶対に無理だと分かってるんならそんなムダな… 悩むオレの表情を察してか、スケイプ波潤ちゃんが静かに口を開く。 「数年前にね…ある科学者達が“人工的に”超能力者を造る研究を始めたんだ…」 ポツリポツリと、苦い過去を語るかのように、重く暗いトーンで話し始める波潤ちゃん。 「ありとあらゆる研究の末、ついに科学者達は辿り着いたんだ…その答えに」 「それは人の脳に超能力者が持つ体内電気と同質の電流を流すという方法でね…要は強制的に脳内に能力の発動元を植え付けようという事だったんだ」 「が、結果は悲惨な結末に終わってしまった…脳内に電気を流し終え、見事に人工超能力者が誕生。実験は成功かと思われた」 「…しかし、その人間が能力の使用を試みた瞬間、その人物は酷い頭痛を訴えながら倒れ込み、そのまま死んでしまったんだ」 「原因は能力使用時に脳から流れ出る電気量の超過。人工的に造られた能力者は、電流のコントロールが出来ないんだよ、どうしてもね。その放出する電気量に脳が耐え切れなくなり、死に至る…」 なるほど… オレ達のような生まれつき能力を持っている人間とは違い、一般人には能力を制御するストッパーが備わってないって事か… 故に一度能力を発動させてしまうと、いくら自分の意思でそれを止めようとしてもストッパーが備わっていないから全て放出し切るまで止まらない… …もう能力の植え付け云々以前に、身体の構造的に無理だったって訳か。
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