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全力で走ると、ほんの数十秒程で交番前まで到着した。
砂の粉とホコリが周囲に散漫していてすごく息苦しい…
「あぁ…何で悪い予感ってのはこうもドンピシャで当たっちまうんだよ…!」
予想はしてたが、結果は外れてて欲しかったぞクソったれが…!
ほんの少し前の事だ、間違いない。
確かにここには交番があったんだ…
それが…それがなんで…!
「瓦礫の山に変わっちまってんだ…?」
それは、もはや交番だったという事実すら否定できそうなくらいに、コナゴナに砕かれた石屑の山だった。
…そうだ!あの子は!?警察の人は!?
ハッと我に返り、舞う砂埃の中を駆け抜けて瓦礫の山に飛びつくと瓦礫の隙間から警官の制服のような物が見えた気がした。
近寄り、瓦礫を退けると先ほどの警官が頭から血を流して倒れていたのだ。
「おい!大丈夫かアンタ!」
瓦礫の山から引きずり出し、平らな場所へそっと寝かせると、ウッと呻き声を上げて閉じていた目を開いた警官。
…良かった、意識はあったか。
「うぅ…き、君はさっきの…?」
「お、おい無理しなくていいよ。今すぐに救急車を呼ぶから!」
「す、済まない……あ、あの子は…?近くに…いますか…?」
…あの子?
そうだ、あの幼…じゃなくて少女!
そういえば姿が…
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