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瓦礫の山を隅々まで見渡してみるが…
「…いない!いないぞ!?まさか下敷きになってんじゃ」
「ち、違い…ます。さっき…不審な男が交番を訪ねてきて……私の話も聞かずに無理やり少女を連れ去ろうと…」
何…?
不審な…誰だ?
「それを……止めようとした瞬間に…交番が爆発して……ぅぐッ!げほッ…」
「お、おい!もう喋るなッ!たった今救急車を呼んだ!もうすぐ来ると思うからじっとしてろ!連れ去られた少女はオレが代わりに探してみるよ!」
そのまま警官の彼をその場に寝かせ、すぐに周囲を見渡してみる。
「…!?」
…ずっと気にはなっていた。
あの少女は両親も保護者もいないと言っていた。ずっと1人だと…
それなのに、あの虐待されたような風貌…一体誰にやられたのか、ぞれがずっと気に掛かって仕方がなかった。
あの傷の残り具合からみて、それは毎日のように暴力が継続されていた物と判断できた。
そして、また悪い予感ってのが発動しちまった。
もしかすると、親でも保護者でもない…おそらくロクでもない輩であろう第三者が絡んでいるのでは、と。
で、それはまたもや見事に的中しちまった訳で…
「あぁ…?何か妙なのが駆けつけやがったかと思ったら……テメェ、ガーディアンの人間か?」
交番のすぐ横、その電柱の上にソイツはいた。
交番から連れ去ったであろう少女を脇に乱暴に抱え、オレを見下しながら面倒くさそうにそう呟いたのだ。
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