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日本某所。
AM2:00
「ハァ…ハァ…!誰かッ…!誰か助けてッ!」
月の光すら差し込まない真っ暗な路地裏で、1人の若い女性が息を荒げながら走っている。
いや、“逃げ回っている”といった方が正しいだろう…
呼吸を乱しながらも、必死で助けを求めて叫んでみるが、時刻は夜中の2時…
助けなどくる訳もない…
「ハァ…ハァ………あッ!」
ガシャァン!
必死で逃げ回るあまり、足元への注意がおろそかになったのだろう、女性は転がっていた空き缶を踏みつけて転んでしまった。
そしてそのままの勢いで道路脇に設置してあったゴミ箱に突っ込んでしまったのだ。
「ぁうッ…!」
激痛に唸り声を上げながら、女性は再び立ち上がろうとした…が。
彼女の頭上から人影が覆いかぶさるように現れたのだ。
「やぁ、どうもこんばんわ。美しいお嬢さん」
「あ…あぁ……た、助け……助け…て…!」
現れた男を見上げながら、女性は目に涙を浮かべ、今にも消え入りそうな声でそう男に訴えかける。
すると、男はニッコリと女性に微笑みかけると無言で女性の首を右手で掴み、そのまま壁づたいに女性を持ち上げた。
「あッ…ぁぁ゛ッ!!?」
完全に女性の体が宙吊り状態となり、女性は苦しそうに足をバタつかせて男の手を叩くも、男は全く動じる事もなく再び女性に微笑みかけ
「苦しいですか?なら、今すぐに楽にしてあげましょう…」
そう呟いた。
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