幻想の一、プロローグ

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それに私はかなりびびった。 「私はまだ名前を教えていない。 なんで私の名前を知ってる?」 かなり恐い、 威圧感で潰されてしまいそうなくらいに・・・ だがそんなのは慣れている。 初めて人にメス入れる時の恐怖の方がよっぽど恐い 「外の・・・私の世界では八雲紫の次に藍様は有名ですよ。」 「・・・本当か?」 有り得ないくらい緊迫した空気・・・ 「東方projectってやつのゲームで・・・ ケータイにも画像あるので見ます?」 「ゲーム・・・?」 焦ってケータイを取り出し藍様の画像をさがす。 こういう焦ってる時に限って見つからないのもお約束。 こんな事なら雛の画像ばっかり集中して集めないで他もバランスよく取っとけば良かった・・・ と考えていたら・・・ 「見せる必要なんて無いわよ。」 と声が響き、 どこからともなく金髪の綺麗な女性が現れた。 「藍みたいな分からず屋相手で疲れたでしょ。 敬語外しても良いわよ。」 「紫様・・・分からず屋って・・・」 そう、八雲紫である。 「さっそくだけど、 あなた元の世界に帰りたい?」 かなり唐突だが助かる。 「帰りたい。」 と即答する。 「何故?」 「何故って・・・ まぁ、妖月なら幻想入りヒャッハーとか喜びそうだけど・・・ 私はまだ元の世界であの馬鹿達と馬鹿やってなくちゃならないから。 それ以前に興味ない。」 と答えたら藍様はまた変な人を見るような目で私を見る。 「それじゃあ・・・ ここをくぐって。」 スキマの形をした真っ黒い何かが現れる。 「あ、通行料としてそのビニールに入っている赤いきつねを3つ置いてってね。」 赤いきつねなら安い物だ、ペヤングと比べたらな・・・ 「どうぞ・・・」 紫様はありがとうとは言わなかったがわかりやすいくらいの笑顔を浮かべたが・・・ 作り物臭い・・・ そして黒い穴をくぐる。 「また今度ね・・・ 定村さん・・・ さて藍、お湯をわかしてくれないかしら?」 「・・・はい、 わかりました。」
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