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「神隠し。」
「は?」
放課後、黄泉川はいきなりそんなことを言った。僕はつい、間の抜けた声を出してしまう。
「神隠しって・・・・・・あの、カミサマのせいで人間が行方不明になるって言う、アレの事か?」
「そうだよ。・・・・・・ううん。正確には、無くし神っていう霊異の仕業なんだよ。」
「無くし神?霊異?何だそりゃ?」
「霊異っていうのは、幽霊が見せた異変、または、その幽霊の事を指すんだよ。ここで言う幽霊は神や悪魔、妖怪って言ったものの総称だよ。」
「で、宮元はその霊異のせいで神隠しに遭ったっていうのかよ?」
「そうだよ。」
「何でそんなこと分かるんだよ?」
「知ってるからだよ。」
「何を?」
「霊異を。」
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