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まぁ、そんな話を聞いたって、関わらなければ問題ないよね。
「早く会場に連れていって」
僕がそう訴えると、包帯くんは僕を引きずり始めた。
「でも変わってるよね。クラス表を見ずにいきなり入学式始めるなんて」
「しかたないよ。一人一人どんな力を持っているかわからないし、クラスなんてそう簡単には決めれないよ」
「でも…」
「さっき言ったように、ここにはラスボスみたいな危険人物がごろごろいるんだからね」
そういうと心君は、「一般人にはきっけーん!!」と大声で叫んだ。
は、はずかしいよ!!! ほらみんなこっち見てるじゃん。
そんなことがあって、やっと門からだいぶ離れたところに着いた。
目の前には、屋根が青色の大きな建物があった。
「たぶん、ここが式場になっている体育館だね」
「そうみたいだね」
入り口にはニコニコと笑顔の先生らしい人が立っていた。
僕たちの周りにも、同じ新入生っぽい子がいたし、きっとそうだよ。
「行く?」
「行っちゃいます?」
なんだかワクワクしてきた。
「…の前にあいつの弱みをにぎっておくか」
怪しい笑みが似合いすぎるね。
心君は僕の袖から手を離して、先生らしい人の方へ歩きだした。
あっ、名前で呼ぶのはずうずうしかったかな?
あとで、なんて呼べばいいか聞いてみよう!
「心ちゃんって呼んで♪」
急にピタッと止まったと思ったら、クルッと僕の方へ振り返る心君。
顔は笑ってるけど、ほんきで言ってるのかな…。
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