序章

2/3
11人が本棚に入れています
本棚に追加
/182ページ
教室。 蓮華崎 立夏(レンゲザキリッカ)は教室にいる。 だけど、この教室には机が無い。椅子が無い。 あるのは教卓だけだ。 たった一つだけしかない教室に蓮華崎はいる。 外は真夜中。 外は漆黒。 外は闇。 でも、教室の中は明るくて熱い。 電気はついてない。 暖房もついてない。 蓮華崎の両側には炎の壁が―炎の結界がある。その為蓮華崎は足止め状態になっているのである。 速くここから離れたい。 速くここから逃げたい。 蓮華崎の真っ正面で教室にある唯一の物――教卓に右足を乗せて、膝に右腕を置いて、格好よく座っている男から。 その男が蓮華崎を閉じ込めた。 そして、両手には――――銃を持っている。
/182ページ

最初のコメントを投稿しよう!