サイボーグだ!

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“全ての生命達”というのはいわゆる一つの反政府組織、テロリストの事である。『人は機械の呪縛から解き放たれるべきだ!』とカルト地味た事を主張する人達である。最近になって活動が活発化、かつ過激化しつつあるらしく、新聞の見だしを飾る事も多い。 とにかく危なくはた迷惑な連中なのだ。 そして、どうもどうやら僕はそいつらの起こしたテロに巻き込まれたらしい。記憶はないが、そうゆう事なようだ。 「爆破テロ、ですか。それに巻き込まれて……それで、僕は自分が死んだと記憶しているのですが」 「それは資料の方を見てくれればわかる」 言われて、僕は資料に目を通した。資料にはこう書かれていた。 『一〇月三日。 “全ての生命達”によるテロ発生。場所は大型百貨店。その日は政府要人が家族で出向いていたらしく、それを狙っての犯行だと私は推察する。 偶然、近くを通りかかっていた私は興味本位で現場へと足を運んだ。現場は大変混乱していた。どれくらいの混乱だったかといえば、白衣を来た私を医者と間違えるほどの混乱っぷりだった。そのおかげで私は崩壊した建物のすぐ近くまで来れたのだが、冷静になれば、こんな所に白衣を来ただけの手ぶらの医者が来る訳がないと考えつきそうなものだ。ただそういった部分も含めて、今回の事件が予想外なものだったと言えよう。 ある程度周りを見渡して見たが、あまり負傷者は見当たらなかった。殆ど瓦礫に埋もれてしまっているのだろう。かなり今更だが、興味本位でこんな場所をうろつくのは不謹慎なんじゃないか、大人としてそれはどうなんだと思った私は、その場を後にする事にした。
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