プロローグ

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突然、僕は目を覚ました。 意識がある。体の感覚もしっかりしている。生きていた……? いや、それは無いだろう。あの時、僕はきちんと死んだはずだ。多分。少なくとも僕自身はそう感じている。 ならばここはどこだ? いや、考えるまでもない。ここは天国だ。人が死んだ後に行く所は天国もしくは地獄。しかし、僕は人を恨んだ事も恨まれた事もない善良な善良な少年だ。例えどんなゴミだろうと、堂々と不燃物と書いていようと、確固たる覚悟と自覚を持ってありとあらゆるゴミを可燃物の日に出す僕をアパートの大家さんはかなり恨んでいたようだが、そんな些細なマイナスなんて気にもならない程に僕は善良な少年だ。 繰り返し言うが、僕は善良な少年だ。可燃物の日に冷蔵庫をゴミに出した事があるくらい善良な少年だ。そんな善良な少年が死んだ後に行く場所なんて天国以外に考えられない。そうか、僕は天国に来たのか。 そんな事を考えながら、徐々に鮮明になっていく視界で辺りを見渡す。そこで僕は気づいた。僕はどうやら横になって天井を見ている訳だが、その視界の隅に丸ノコが写っているのだ。それも、明らかに人を用途としていないであろう大きさだ。一昔前の安いスプラッターものに出てきそうな感じである。 ……あれか、映画のセット的なあれなのかな? 首を回して確認してみたが、他にもあるのは心音計や点滴に使う器具などと、いかにも手術室のような内装で他に例えようがない。それでも無理に言い換えるとしたら…………手術室だ。と、とにかく手術室なのだ。でぃすいずざ手術室。
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