俺と魔女の小学生と酢昆布

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先頭のカボチャ魔女!! 小学生のくせになんて言い回しだ! 小学校で何を教わってるんだ。 「うるっさい!! いきなり押しかけてお菓子くれなんて、そっちがどういう了見だこら! こちとら小学生に恵んでやれるほど裕福じゃないんだよ! 後インターホンいい加減やめろ!」 つい玄関先まで引き返してしまった。おのれ、大学生のバイト生活をなんだと思ってるんだ。ただでさえ不景気なのに。扉を開いて物申す。 「生憎お菓子はありません! 夜遅いから家帰ってさっさと寝なさい!」 次いでバタンと扉を閉める。疲れる! するとまたしてもインターホンが鳴りはじめた。間隔が狭すぎて音が繋がって聴こえる。……しつこい。 一旦居間に引き返して、丁度テーブルに乗っていた駄菓子を持って玄関へ。別に恐ろしくなったわけではない。断じて。 「ちびっ子 「ちびっ子じゃないしー。小3だしー」 「十分ちびだばか。これやるからさっさと帰んなさい」 突き出されたカボチャにそれを投げ入れる。嬉しそうに中を確認する姿を見届けて、扉を閉めた。これでゆっくりDVD観れ……。 「てめぇこのやろー!! 酢昆布一個ってなんだよばかにしてんのかー!?」 「酢昆布のどこが悪いかよ立派なお菓子じゃねーか!」
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