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扉を何回開け閉めしてるのやら。また顔を出してしまう。カボチャ魔女と他の小学生が次々に文句をぶつけてきた。
「酢昆布とかじゃなくてええ。あるでしょ? 駄菓子じゃないの。もっとこうハロウィン的な……」
「あめとかチョコのことか?」
「そうだよ! それだよ!」
魔女に指を突き付けられた。
「西洋文化に流されるな」
チョコない。扉を閉める。そしたら間髪いれずにインターホン攻撃だ。
「まだなんかあるんなら全部出せ! お前ん家のドアにロリコンニートって落書きするぞ!」
「悪質過ぎる悪戯やめろー! ロリコンじゃないしニートでもない!!」
学生だしバイトもしとるわぶぁーか!
まるで独裁者だ。仕方ないから酢昆布の袋を引ったくるように持ってきて、魔女のカボチャにばらばらとぶちまける。
魔女は、こんなに酢昆布買い込んでどうするの? とでも言いたそうにしていたが無視。数を確認して、偉そうにふん、と鼻を鳴らした。
「まあ、合格」
魔女はあっさりと踵を返し、他の小学生達を従えてアパートの階段に向かった。
「おい」自分でも驚いたことに、口が勝手に呼び止めていた。
魔女がくるりと振り返る。
「お前、人数分ないからあんなにしつこかったのか?」
魔女はぽかんとしていたが、意味を理解すると小さく笑った。
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