家族崩壊

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「おはよう」 リビングに顔をだすと、新聞を読んでいた父が顔をあげた。 「今日は学校を休みなさい」 「どうしてよ」 突然の言葉に私は呆けてしまう。 「母さんが出ていったきり戻らないんだ」 「え!?」 「戻ったら電話をくれ。今日は休めないんだ」 「捜さないの!?」 「今日は休めないんだ」 「だって…」 「明日は休むから、話し合おうと言ってくれ 」 言いながら鞄を手にでていこうとしている。 「お婆ちゃんに電話してみる…っ」 「1日だけ待ちなさい。余計な心配をかけるかもしれない」 「だって、いなくなっちゃったんだよっ?」 私の言葉には耳をかさず、玄関に立つともう一度念をおした。 「今日は休んで母さんを待ちなさい」 「はい…。」 お母さん…どこに行っちゃったの…!?
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