40人が本棚に入れています
本棚に追加
何だろう?
頭の中で声がした…?
《本当は連れて行きたいんだ…わかるだろう?》
「誰!?何で頭の中から声がするのよぅ」
パニックになりかけた私に優しい声が語りかけてくる。
《大丈夫だから、聞けよ》
「でも、負担になるんだよ、きっと」
《一緒に行くより苦労がないと思ってるんだよ。》
「そんなの、私、頑張るのに…」
言えなかった本音と一緒に涙がこぼれおちた。
「お母さんと一緒なら、頑張るのに…」
もう一度口にして、クッションに顔を埋めた。
《母さんも、お前がいたから、頑張ったんだよ。でも、毎日続く喧嘩をお前に聞かせたくないと思ったんだろうな…》
「そんなの…」
《あと半年だろ。卒業証書見せてやれよ。》
「うん」
《行き来はできるんだ。会いたくなったら行けばいいよ》
「そうだよね。今まで、母さん、頑張ったんだもんね」
《とても頑張っていたよ》
「何であなたがしってるの?」
《ずっと見てたから…。遥と母さんが泣いてるの、ずっと見てたから…》
最初のコメントを投稿しよう!