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「先生…何見てるんですか…?」
構ってもらえなくて寂しいと言うように頬を擦り寄せれば、リズの手のひらが桜色の髪を撫でた。
「旅行に行きたいと、言っていただろう」
「え…」
もしかしてと望美は身を乗り出して雑誌の内容を見た。
紛れもない、旅行のパンフレットである。
「先生っ、旅行連れて行ってくれるんですかっ?」
「お前が望むなら。それに…」
言葉を切ったリズを見て望美は首を傾げる。
「私も、お前と過ごせるのは嬉しい」
「っ……」
微笑んだ彼の、なんて優しい目。
私はこの人の優しい目がとても好きで、安心出来て、ドキドキする…。
顔に熱が集まるのが分かって、望美は抱きついたリズの胸元に顔を埋める。
どうした?
そう言って撫でてくれる大きな手。
ドキドキするけれど、すごくすごく安心出来て心地良い。
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