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―数年くらい前の幻想郷―
寺子屋の教師である上白沢慧音は竹林を散歩していると一人の少女がうずくまっていた。
よく見ると体の至るところに血が滲んでいる。
「どうしたんだ、お前
傷だらけじゃないか」
「うっさい
私に構うな」
「とりあえず家に来ないか?
傷の手当してやるから」
「黙れ、焼き殺すぞ」
少女の言葉には殺意がこもっていた。
「可哀相に」
「お前に私の何がわかるんだ」
少女は炎を纏い、慧音に突っ込んできた。
「怖がらなくていいんだよ
私はお前を決して傷つけたりしない」
慧音は少女を優しく抱きしめた。
気がつくと炎は消えていた。
いつのまにか少女の目には熱いものが流れていた。
「何も言わなくていい
私の胸で泣きたいだけ泣きな」
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