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「あ、このCMの場所、どっかで見たことあるな・・」
それはとある公園で撮影された物だった
小さな子供達が楽しそうに砂遊びをしている・・・それをうらやましそうに見ている車椅子に乗った女の子、お母さんに車椅子を押されながらその場を後にする。
その少女の目から一粒の涙がすっと落ちる・・・
そんな一つの場面から様々な子供の病名が画面に表示され、背景に入院中の子供の写真が流れていくという少し心にジンとくる内容だった。
「そういや思い出した。あの公園、実家の近くじゃん・・もう十五年か・・」
俺には親がいなかった。母親は幼いときに事故で亡くなり、親父は十五年前に、海で小さな子供が溺れているのをたまたま釣りをしているときに見つけて、その子供を助けに飛び込んだはいいが、子供が暴れすぎて一緒に溺れてしまい、還らぬ人となってしまった・・・
その子供は親父が浮き輪代わりに使おうと、手に持っていたライフジャケットが、暴れた拍子にベルト部分が子供の手に絡み付きそのまま浮き輪の代わりになって親父の後から、助けに飛び込んだ地元の大学生に何とか助けられ、親父は力尽きて沈んでしまい、なんとか見つけて助けられたが、息を吹き返す事はなかった・・・
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