贋札円舞曲後編

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四基目は神鷹がポケット戦艦姉妹のドイチュラント、アドミナル・シェーア、アドミナル・グラーフ=シュペーの三人を召喚すると彼女たちの28センチ砲の砲撃支援のもと飛び出した。後続の龍驤は血が騒いだと叫んで飛び出し、これに翔鶴が揚々と続いた。 三人は九七式艦上攻撃機、九九式艦上爆撃機妖精をありったけ飛ばすと直ぐに龍驤と神鷹の得物であるサブマシンガン、翔鶴のStG.77が火を噴く。 土嚢に直撃するたびに雪煙。そして28センチ砲団が直撃し、土嚢と銃が一気に吹き飛ぶと、三人の工事現場のヘルメットでダッフルコート姿の男達が各々のショットガンを構えてわざわざ龍驤たち目掛けて飛び出した。 「龍驤さん!翔鶴さん!」 神鷹がやりすぎたと顔を青くするが龍驤は 「ああ、大丈夫っしょ」 と射撃を止めて指さした。 それもそのはず、その間に上空待機していた妖精たちに徹底的に妨害されたのだ。 目に見えないのに強烈な痛みに全身が襲われるという状況に、三人は雪と泥の地面に悶え、ショットガン迄手放して転げまわった。 「ほっ」 文字通り胸をなでおろす神鷹。 これで四基目が沈黙した。 五基目は自衛隊員がMINIMI 軽機関銃をずり山の天辺に銃架を展開して設置。その支援の下に蒼龍飛龍義姉妹が飛び出した。 5.56mmの銃弾とはいえ、MINIMIの威力は凄まじく、土嚢とコンクリートブロックの壁は直ぐに崩される。大型銃が放棄したのか、顔面蒼白の四人の工事現場のヘルメットとスキーウェア姿の男たちが同じくショットガンを持って二人の前に現れた。 「蒼龍お姉ちゃん!」 「うん、やっちゃおう飛龍!」 二人が愛銃のSCARを構え直して 「行っちゃって、妖精さん!」 蒼龍の声に蒼龍飛龍の九七式艦上攻撃機、九九式艦上爆撃機妖精が一気に突撃。そして彼女達も駆けてくる彼らの足元目掛けて発砲。 四人の脚に銃弾が命中し、崩れ落ちるように顔面が地面に叩き付けられる。そこに妖精達が群がり、四人を気絶させるまで攻撃し、序にショットガンも破壊していく。 「よし!」 「やったね、飛龍!」 五基目も沈黙。これですべての大型銃座は無力化された。 「ふぅ。これで一通りだ」 古鷹が攻撃の時に出来た火災の煙まみれの中を見回して安堵の溜息をつくと、そこに大和たちのスカイラインが漸くやってきた。
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