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1972年初夏…私は、田舎の本家の初孫として誕生。
長男である父は、母と二人で、その頃流行のアイビーブランド「VAN」ショップと喫茶店を隣の県で経営。
祖父母や親戚、ショップに来る常連さんにも可愛がられ…幸せな子供だった。
母は器用で、よくお揃いの服を作ってくれたし、読書家だったから、毎晩たくさんの絵本を読み聞かせてくれた。
父は洋楽が大好き。
友人達とバンド(ドラム担当)をやっていて、物心ついた頃の私は、オールディーズやビートルズの曲を口ずさんでた。
いつも見ていた『セサミストリート』の曲も。
両親の影響で、今でも本が好きだし、オールディーズを聴くと安心する。
まさに私の原点。
カトリック幼稚園に通い、小学生に上がる直前に父の実家に引っ越し。
祖父母は田畑を営み、祖父は農業をしながら篠竹でザルや籠を作り、バイクで保険の外交員も。
父は内装業のインテリア店に。
そして私が小学一年生の時…妹が産まれた。
切迫早産の恐れがあったようで、母は早くから入院。
寂しかった私は、母が家に帰ってくることの方が嬉しく思ったものだった。
それまで周りの愛情を独り占めできたけれど、妹の誕生で我慢が増え、正直小さな妹に嫉妬もした私。
だけど…
まんまるの顔で私のあとをついてくる妹が、可愛くて仕方がなかった。
家は観光地にあり、周りには牧場やスキー場。
自然に囲まれ、近所の子達と木登りや川遊び、冬にはたくさんの雪が積もるので、かまくら作りやそり滑り。
毎日、暗くなるまで遊んでいた日々。
夏に学校から帰ると、祖母が採れたてのトウモロコシやジャガイモを蒸かして待っていてくれた。
冷たくておいしい井戸水を飲みながら、みんなで食べる祖父母が作った野菜は何よりのご馳走。
冬は、学校近くの田んぼを父兄達がスケート場にしてくれて、毎日スケートを楽しんだ。
週末は、仕事が休みの父母が毎週、私達姉妹を色々な所へドライブに。
母と妹と三人で近くの公園に行き、ワラビなどの山菜を採ったり、毎週のように図書館に行ったことも。
私は母と同じように、毎晩本を読んでから眠るのが日課に。
そしてその頃から、これも母の影響で、手紙を書くことも好きになった。
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