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『おかしいなーこっちに入ったんだと思ったんだけど』
僕は佳菜が近くの墓地に入った後に見失ってしまった。一体どこに行ったのやら……
『!!!!』
マズい。なんだこの霊気は、今まであった霊のなかでも格段に強いぞ。あんまり関わらない方が身のためだが…
『猫さんどこー?裕二もいないし。どうしよう。
もう道わかんないよ。』
僕が感じた霊気の方向から佳菜の声が。
最悪だ...
よりによってこんな時に
慌ててその声のした近くまで向かった僕は霊気の発生源であると思われる地点を墓の陰から覗き見る。
そこには、見た目一発で危険だとわかる武士らしき霊が佳菜のちょっと後ろにいるのが見えた。
僕は必死に頭をフル回転させてこの場を乗り切るいい策を考えた。
そこまで良い案が出るわけはなく、いつものごとく見えない振りをして佳菜を助けようと考え、墓の陰から出た。
『佳菜、こっちにいたのッ………!!』
ヤバいヤバいヤバい!!!
あいつが佳菜に襲いかかろうとしている。
『佳菜!しゃがめ!』
『え!?』
僕が叫んだ次の瞬間、佳菜は霊に突き飛ばされて地面に倒れ動かなくなった。
恐らく、気絶したのだろう。
本格的に危険な状態になってきた。絶体絶命の大ピンチ。なんせ、霊の見えない人無能力者に攻撃が加えられる霊ってのはほとんどが霊力が強いのだ。
こいつを僕の力でどうにかしなきゃならないとしたら、恐らく僕が負けるだろう。
なんとかしなきゃいけないな。
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