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人が決して寄りつかないような鬱蒼とした森の中に2つの影があった。
一方は人の形をしているがもう一方は人の形をなしていなかった。
『ハァハァ、いい加減くたばりやがれこの野郎。』
銀髪頭の男は息も切れ切れに悪態をつく。
『お主もなかなかしぶといの、そろそろ終わりにしたいのぅ。』
『あまり同意したくはないが、そろそろ俺も限界だ。
あまり使いたくはなかったが...
この際、仕方がないな。』
『!!!』
そういって男が取り出したのは金で装飾された腕輪と漆黒に輝く刀であった。
どちらも素人目に見ても職人が作ったくらい芸術的でその価値は並大抵でないのが分かった。
『お主、それは...』
『そう、お前の思った通りのものだよ。これ以上時間はかけられないからな...
未来永劫現世に姿を表せないよう道ずれだ!
これでとどめをさしてやる。
覚悟しな。』
『ちょっと待ッ!?』
そう言った銀髪の男は、残った力を振り絞り、一瞬にして後ろに回り込んでその刀を相手に思いきり突き刺した。
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