21人が本棚に入れています
本棚に追加
とはいっても、霊に関わらないことに越した事はなく。自分が見えてる事を悟られずにスルーする技術も最近では極めつつあるのだ。
正直、一般人にはいらない能力ですけどね。
――――――――
それにしても、この地域の霊の数の多いこと。街中にウヨウヨいるよ。
他の街へ行く機会が少ないため断定はできないがこの街の霊の数は異常だと思う。
最近まではこんなにまではいなかった気がするのだが……
まぁ気のせいだろう。
そんなこんなで取り留めもなく考え事をしていたら...
『おはよー!裕二!』
と後ろから声をかけられた。
『おう、佳菜おはよー。』
僕はその見慣れた顔を見て挨拶を返す。
今、僕に話しかけたセミショートの子は平良佳菜【たいらかな】。小学校からの幼なじみである。僕が霊が見えることを知っている数少ない人物である。
本人は霊が見えないらしいのでいつも羨ましがっている。
正直無くてもいい能力だよ?
というか僕ははっきり言って邪魔にしか思わない。
『中間の勉強した?もぅ全然分かんなくて、今日徹夜だよー。』
『僕は普段やってるから平気。』
『裕二は頭良いからいいなー』
そんな他愛もない会話をしながら僕達は通学路を並んで歩いて行った。
最初のコメントを投稿しよう!