序章

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  《携帯はあるか?》 救急車を呼んでくれるのかなぁ? 《ああ、呼んでやるよ。で、どこにある?》 どこだっけ? …そうだ、リュックの左のポケットに 「ゴホッ」 少女はリュックへ目をやり手を伸ばした。 …が、目がかすんでよく見えない。 私、死ぬのかな。 そう思うと、涙が溢れてきた。 《おっ、その中か。》 声の主はそういうと少女のリュックから携帯を引っ張り出した。 《なんだ、押しにくいな…》 少女は咳き込み血を吐いた。 《こりゃ、一刻の猶予もないみたいだな。》 笑い事じゃないでしょ!と、突っ込みたくなったが、そんな気力は残されていなかった。 そして少女は意識を失った。
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