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「私は、この部屋の担当してる花崎よ。よろしくね。」
「あ、えっと…よろしくお願いします。…良い名前ですね」
「そうかなぁ?お花は咲きそうだけど、私にはいつまでたっても春は来ないのよね。」
その看護師は泣き真似をして見せたが、つぐみと呼ばれた少女は表情ひとつ変えなかった。
「ちょっと、今の笑うところでしょ?」
「すみません…あの、いまいち状況が読めないんですけど。」
「そうね、あれだけの事があったんだから、記憶が混濁していても無理はないわね」
「あれだけの…こと?」
花崎は目線をそらし何か考えるかのように、その後ゆっくりと話し始めた。
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