わたし

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――いくらでも― 何一つ興味なんて持てない。そんな部屋に言葉が響いた。 切実な叫び声は肌寒い季節に良く似合ってる。 「いくらでも!買われるよ!欲しいだけあなたの!僕なんかで良かったら!だから…!」 自分を卑下した悲痛な叫び。 きっとわたしより価値のある藤川は、自分をまるで無価値であるように懇願すらした。 「じゃあ藤川。あんたの価値、わたしに頂戴。」  
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