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ベッドに入ると、他人の躰の感触を思い出した。
這う様な指先はまるで虫。
ザラザラとした舌触りは鳥肌ものだ。
だけど、それさえ心地良いのだ。
それはわたしがおかしいからかも知れないし、世界の方がおかしいからかも知れない。
どっちにしたって意味を為さない。
だってわたしは空っぽだから。
鳴らない携帯電話の電源を落とすと、世界との繋がりを無くした気がした。
こんなもので繋がる世界も、夢物語もわたしには必要ない。
今日のところは。
そう思うと自然に瞼が重くなった。
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