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外は雨。雨の日のデートも素敵だけど、今日はのんびり二人で過ごしたいってことで、私のお家で映画鑑賞。
映画鑑賞って言ってもそんなに部屋は広くはない。ベッドと机、小さなテーブルと洋服たんす。あとは可愛いぬいぐるみがあちこちにあるくらい。
だからテレビを見るときは、二人ベッドに腰をかける。…いや、べつに期待してるわけじゃないよ?そりゃあ、のんちゃん先輩なら、…嬉しいって思う、けど。そこの段階に行く迄には、もっと時間とか心の準備がいるっていうか……あぁ、もう。私、何だか厭らしい子じゃない。
「……何首振ってるんだ?」
見るの疲れたか、なんて気遣ってくれるのんちゃん先輩。
あぁ、のんちゃん先輩って真っ白で純粋だよね……。私だけが、こう、ムラムラしてるのかなぁ?
そう考えてると一つ、イイ事を思いついた。
にっこり笑って、のんちゃん先輩の方を見る。そこは身の危険を感じてか、のんちゃん先輩は少し身を後ろに傾け、引きつった笑みを浮かべる。
「な、なんだ、ミー太」
「あのね、ミュウって呼んでみてください」
有無も言わさず笑顔で促すと、たどたどしく口にする。
「ミ、ミュウ……」
そう言ったところで、素早くのんちゃん先輩の唇に自分の唇をそっと合わせる。離れると、顔どころか全身真っ赤なのんちゃん先輩が混乱して、何か言おうとしている。ただ、全然言葉になってないけど。ちなみに、自分でいうのもアレだけど、私も顔が赤いのは確か。体が熱を持っているのが分かるし、胸のドキドキが止まらない。
それでも、平然をよそって言葉を続ける。
「知ってた、のんちゃん先輩?ミュウ、って言うとキスがしやすいんだよ?」
だから、もう一回っとまた笑顔で促すと、少したじろいだのんちゃん先輩が、もう一度名前を呼ぶ。
今度は優しくて、とろけるようなキス。
どちらからともなく離れると、のんちゃん先輩は、『他の男に、するなよ』と恥ずかしそうにそう呟いた。
上手なキスの仕方
<いつでも大歓迎だよ?><そう挑発するなっ>
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