【N】幼なじみ

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ずきずきと痛む頭を押さえながら、学院の庭のベンチに腰をかける。 ったく、手加減ってものがわかんねーのかよ、あのバカ。 『あのバカ』。そう俺の幼なじみであり、乱暴な女、ラムのこと。 ちょっと可愛い女の子を見て、色々妄そ…いや考え事してただけなのに、毎回全力で鳥で攻撃して来やがって。鼻血だけでも出血多量なのに頭からも出たら俺、死ぬからな。 いっつも、そうだ。思い返せば、物心ついた時には近くに居た。よく言えば俺の事をよく分かってる。悪く言えば、分かりすぎてる。あまり顔に出さないようにしていても、あいつにはばれてしまう。本当に可愛げのない奴だ。 ……あっ、少しだけあった。最近アイツ、ほんの少しだけど可愛くなった。………あれか?恋する乙女か?ウケるな、それ。 いや、きっとそのうち本当に好きな奴が出来て、付き合ったり、結婚したりすんだろうな。 そう考えたら、少し、少しだけアイツが、ラムが遠くに感じた。 あー、何だっていうんだよ。 「あっ、ノア」 後ろから声がして、ベンチに腰をかけたまま後ろにそって、誰だか確認する。…まぁ、声でわかっけどさ。 「乱暴女」 「うるさい、変態男」 あーいえば、こう言う。だけど少しだけほっとした自分がいた。 「で、何?」 「もーお昼だけど、まだ食べてないでしょ?一緒にご飯食べ行くよ」 「……なんで断定してんだよ」 「あら?行かないの。残念~。今日のランチのデザート、美味しそうなチョコケーキだったのにぃ」 白々しい。俺がチョコ好きだと知っていながらそう言うとことか、本当に性格悪いな。 「誰が行かないって言ったよ。行く」 仕返しに方向音痴のことをつついたら、『今日は変態さんにエスコートしてもらうから大丈夫~』なんて軽く返す。 何か、一生こいつには適わないんだろうと思いつつ、カフェテラスの方へ足をすすめた。 幼なじみ <こいつの隣は、まだ俺の特権><いつか、こいつの彼氏が出来たら絶対いびってやろう>
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