いつか見た帰り道

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……雪が燦然と降っている。 ……空に星が輝いている。 その中を俺は――星崎聖雪(ほしざきとしゆき)は立ち尽くしている。 光鈴学園の制服を着て。 教科書で中身を占領された重いカバンを持って。 その道は自分の知っている道。 家へとつながっている道。 「?」 ここがそうであるとは知っているが、何故ここにいるのかまではわからない。 「まぁいいや。とりあえず帰ろう」 雪が降る中、冷たい風が体にぶつかってくる中、俺は足を進めた。 自分の大切なものが待つ場所へ。
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