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しばらく走り続け、やっとお墓の入り口に到着した。
「…はぁ…やっと…はぁ…着いたぁ…」
私は息切れしてしまい、肩で息をしながら俯き、一人で呟いた。
とにかく疲れた。長距離走は苦手なんだよね…。
ふと顔をあげてお墓を覗いてみる。夜のお墓は想像以上に不気味だった。
さらに夜空に堂々と浮かんでいる赤い月が、さらに怖さを引き立てている。
そんなことを考えている間に、息はだんだんと楽になってきていた。
「…とりあえず、お母さんとお父さんのところに行こう」
私はお墓の敷地内に足を踏み入れた。その瞬間、悪寒が全身を走り、身体をブルッと震わせる。
だが私はあまり気にも止めず、この寒さのせいにして足を進めた。
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