1417人が本棚に入れています
本棚に追加
/159ページ
近藤は変わった。
否、変わろうと思った。
壬生狼と蔑まれようと、自分と仲間の信じた道を突き進む。
またいつか一華に逢えるような気がしたからだ。
(誠の武士になるのだ)
土方等には、虎徹の話をしたが信じてもらえたかどうかは謎のまま。
それでも女に現を抜かした自分を許しついてきてくれたことに感謝している。
―――――――――――
時は流れた。
会津公から【新撰組】の名を賜り、池田屋事件では長州の謀を未然に防いだ。
久しぶりに島原で羽を伸ばそうと足を運ぶ。
馴染みの太夫を頼もうとした近藤の目が見開いた。
「あの娘の名は何と…?」
「深雪にございます。」
主人の答える声が耳に届くやいなや、彼女を追い掛け白く細い腕に手を伸ばす近藤。
最初のコメントを投稿しよう!