沖田総司

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…屯所中に響くような大きな叫び声。 苦笑いの私を見て 「そ、総司も随分大人になったものだな…」 とフラフラしながら自室に向かう。 「とにかく、行ってきてご覧。」 こう言い残して去って行った… 「お前、まだ悩んでたのかよ…」 急に投げかけられた土方さんの言葉で我に返る。 「はい…」 「ったく!しゃあねぇなぁ…せっかく俺が心配してやったのに!」 「…すみません。」 「まぁ…近藤さんもああ言ってたし…とりあえず行ってこい。俺の気が変わらねぇうちに!」 「…はい!!!」 ニヤリと笑う土方さんを背に、準備をしに自室に戻る。 あっ。 彩乃さんのお店に行く前に、小間物屋で何か買おう! この前の事を謝って、ずっと会いに行けなかったことを詫びよう…! そう考えていると、今までくすぶっていた想いが徐々に膨らんでいくような気がした…
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