沖田総司

40/42
前へ
/159ページ
次へ
肉を切り裂く音… 生暖かい液体… 柔らかな感触… 「そうじさ…ご無事で…よか…」 嘘だ… 「あや…のさ…」 これは悪い夢なんだ…!!! 「がぁーーーーー!!!!!!!」 声にならない叫び声を上げながら、最後の一人を斬り捨てる。 その間も、彩乃さんの身体からは赤い液体が流れ続けて止まらない。 「誰か…誰か医者を…!!!早く!!!!!」 喉に貼り付いて出ない声を絞り出し叫ぶ。 しっかり抱きしめ「大丈夫だから」と言い続ける。 でも、彩乃さんの顔は真っ青で… 目も段々閉じてきて… 「彩乃さん!!!!!」 「私…いのち…あな…のもの…」 (私の命は貴方のものです…) だからって… こんなことって… しばし呆然としていると、医者が到着し、彩乃さんの容態を見るが首を横に振るだけだった… 彩乃さんは、逝ってしまうのだ… 労咳の私より先に…
/159ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1418人が本棚に入れています
本棚に追加