山南敬助

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「愛さん。お茶をお願いします。」 そう頼み、せっかくだから…と二人で話をしていると、満面の笑みで藤堂がやってきた。 「山南さんこんにちは!丁度良かったです。さっき、十六夜でお団子買ってきたんですよ。良かったら、一緒にいかがですか?」 邪気のない笑顔に救われる。 「ああ。一本もらえるかい?丁度今お茶を淹れてもらっていたんだ。」 お茶とお団子を持って、三人で中庭の見える縁側に腰掛ける。 「今日は良い天気ですねー。」 「小春日和?」 「違うし!平助、それ以上馬鹿が公になったら大変だよっ!五月晴れでしょ!」 「プッ!」 二人の遣り取りに思わず吹き出してしまった。 「あはははは!強いて言えば、梅雨の晴れ間でいいんじゃないかな?」 二人を見ていると、嫌なことを全て忘れられる気がしてくる。 急に笑い出した山南を見て、二人も笑い出す。 「二人は良く似てるんだね。」 「全然!!」 「全然!!」 真っ赤になって否定する所までそっくりだ。
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